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updated 2012-08-23

2011.9.22

 「東大生の視点」と題して、いろいろな東大生に気になっていることを話してもらうこのコーナー第2回目は、「原発・放射能問題」についてです。教育学部に所属のMさんにお話を聞きました。


 いきなりちょっと重いテーマですが、避けては通れない話だと思いますので、取り上げることにしました。あらかじめことわっておきますと、私自身は原発に関する知識が豊富なわけではありません。今回は原発の是非を問うのではなく、原発・放射能問題にどう向き合っていくべきなのかを考えてみます。

 3月11日の大地震と津波の被害、そして原発問題・・・東北地方では(もちろんその他の地域でも)、震災の影響でいまだに不安定な生活を送っている方も多いかと思います。福島原発からの避難のために移住せざるを得ない方々(逆に、したくてもできない方)も数多くいらっしゃると思います。

 一方で、例えば私のように東京で暮らしている人にとっては、震災直後の混乱も収まり、今は節電により街の様子が少し変わったくらいに感じられるかもしれません。マスコミによる原発報道も一時期ほどはなくなり、「普段通り」の生活に戻ったように思えます。


しかし、本当に「普段通り」でしょうか?

 まず何よりも原発問題はいまだに収束していません。確かに、一連の爆発直後の予断を許さない状況は脱したと言えるし、不必要に不安を煽るつもりはありませんが、現在(2011年9月)でも原発付近では高い放射線量が観測され、多くの作業員が現地で原子炉を冷却する作業を続けています。「3月よりは良くなっている」という比較の問題ではないでしょう。現状を見れば、明らかに異常な状態が続いているといえます。

 そして、これは日本に住む人全員が、数十年あるいは一生付き合っていかなければならない問題です。特に若い人には放射能の影響は大きいと言われます。ならばこそ、この記事を読んでいる皆さん(自分も含めて)こそ、避けては通れない問題だと思います。確かに、「大人たちが勝手に原発をつくってそのツケを若い人たちに回している」という不満もないわけではありません。しかし、いつまでも目を背けてはいられないのも事実です。4月に文部科学省が、校庭の利用基準を「年間被曝(ひばく)線量20ミリシーベルト」と法律の基準(年間1ミリシーベルト)を超えて発表しました。責任の所在が明らかでないにもかかわらず、この基準により影響を受けるのは、地域住民であり、そして状況が何もわからない子どもたちです。


 (福島から離れている人にとっては、)もしかすると原発には関係ないという感覚もあるかもしれません。私自身、東京にいるので、正直なところ想像でしか話ができません。ただ、「福島の原子力発電で、東京の電力をまかなっていた」という事実は見逃せないでしょう。電力の生産と消費の不均衡な関係の中で、ここでも「責任」の所在が不明瞭になっています。

 さて、「責任」ということで、少し話を東大に移します。東大では確かに、国や東京電力からお金をもらって原子力発電の研究が進めらています。そして原発事故の後、東大の学者(いわゆる「御用学者」と呼ばれる)が、マスメディアで「安全」を連呼していたことも指摘されます。東大教授がテレビの前やインターネットで発言することは、一般の市民にとって影響力を持ち、大きな「社会的責任」が伴います。たとえそれが個人の意見であるとしても、あまりに安易に「安全」が語られすぎたのではないでしょうか。

 しかし、一方で、東京大学としての「社会的責任」として、注目すべき動きもありますので、ここに2つ紹介します。


(1)「児玉龍彦 2011/07/27衆議院(参考人意見、質疑応答)」
(アップはsievert311さん)

こちらは、東京大学教授の児玉龍彦が、参考人意見として発言している映像です。
原発の状況・放射線の被害・今何をすべきかについても、わかりやすくまとまっていますし、何よりも確かな知識と経験に裏打ちされた提言は一見に値します。


(2)「東京大学環境放射線情報」を問う東大教員有志のページ


これは、「東京大学環境放射線情報」Webページに記載された、放射線のリスク評価に関する内容などに対し、東京大学の教員の有志が、異議を唱えたものです。東京大学公式のサイトに対して、社会的影響・責任を考え、東京大学内部の教員が内容の訂正を求めたものです。

詳しくは、リンクを見てみてください。


 高校生の皆さんも、すぐに何かしらの行動を起こすのは難しいかもしれませんが、「当たり前」であることを疑うことも、悪いことではないでしょう。

 社会に対する違和感を感じたら、その違和感がなぜ起こるのか、少し考えてみてはいかがでしょうか?

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